2013-08-24

医療職種紹介シリーズ7 「臨床工学技士」

朝日新聞の医療サイト アピタルより
http://apital.asahi.com/article/nob/2013081900007.html

病院などの医療現場で働く医療者紹介の第7回目は「臨床工学技士」。臨床工学技士法に定められた国家資格です。前回の歯科技工士同様に、まさに医療の裏方で大活躍しています。
近年は、手術も治療も、場合によっては退院後の生活そのものも、様々な医療機器(人工呼吸器、血液透析器など)が必要となっています。機器ですので、単に医療的な知識だけでは扱えるわけではなく、電気やコンピュータといった医療以外の知識や経験が必要とされています。
臨床工学技士は、まさにその医療機器を扱うスペシャリスト。多くの方は、病院内で働いています。でも、患者と直接対話することは少なく、手術室で手術中に必要な機器を動かしたり、患者が入院中に使う様々な機器をメンテナンスしたりしています。
手術中に機械の動かし方がわからない、止まってしまったなど、万が一の事態が起きれば命に関わる大きな問題になるわけですから、ミスは許されない仕事でもあります。
実は、大学で電子工学科に在籍していた私は、臨床工学技士も進路の一つとして考えていました。工学の立場から医療に携われる魅力的な職種だと考えています(当時は制度化されてまもなかったので、私は二の足を踏んでしまいました)。
あえて、この場で臨床工学技士へお願いするとすれば、患者が使う医療機器を患者視線で考えていただき、改善すべき点はメーカーに意見をしてほしいです。
私は、入院して抗がん剤治療を受けていた際に輸液ポンプという機器を使いましたが、少しのことでアラームが鳴り、激しい副作用に苦痛を強いられていた私のイライラは、この度重なるアラーム音で最高潮になりました。
『医療機器の警報を患者に対応させる』――この機器のそんな設計思想には、大学3年生だった当時の私ですら疑問を持ちました。アラームは無線技術を応用し、ナースセンターで受けられるようにすればいいと思ったものです(いまだにそのような輸液ポンプは開発されていないのでは?)。
血液の透析患者の友人も、透析中の機器については様々な意見を持っているようです。
臨床工学技士の方が患者から直接話を聞ける場は実際には少ないですが、機器のメンテナンス時などに少しでも患者の気持ちに思いを寄せて、改善点のピックアップなどをしてほしいです。
さて、ここは、患者道場。患者という立場で臨床工学技士の方とどう接すればいいでしょうか?
現実には、直接お会いするのは、血液の透析患者以外ではほとんどありません。
でも、もしあなたが手術を受けるのならば、手術室の中にはこういう職種の方がいて、あなたの命を守ってくれているのです。
治療が終わると、医師(せいぜい看護師?)にだけ感謝の気持ちを感じがちですが、臨床工学技士をはじめとする直接は会わなかった多くの医療スタッフにも、心から感謝の意識を持ちたいですね。
もし、あなたが退院手続き中などに時間があり、ふと病院の投書箱が目についたら、医師をはじめとして、そういう裏方の医療スタッフにも感謝の気持ちを一筆したためませんか? (もちろん、金品は送ってはダメですよ)
さて、医療の裏方シリーズ的になっていますが、次回以降は、臨床検査技師、臨床放射線技師といった職種について書きたいと思います。
まだまだ認知度が低い臨床工学技士ですが、こういった記事は職種の未来を明るくしてくれる材料です。

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