2012-07-04

絶縁監視装置

手術室や集中治療室などには絶縁監視装置が取り付けられています。
一般の方には難しいと思いますが、漏電するとブレーカーが落ち、(コンセントのみ使えない状態もあり)停電と同じ状態になりますが、手術室や集中治療室ではこういった停電状態やコンセントが使えないといったことが命とりになることもあります。
そういったことがないように手術室や集中治療室では特殊な接地がされていますが、それと同時に絶縁監視装置というものが取り付けられています。



以前、大きな手術があったときにこの絶縁監視装置が許容値(2.0mA)を超えてアラームがなったことがあり、一つずつ装置の漏れ電流を測定しましたが異常がなく、たくさんの機器を使用するためにアラームがなったことがありました。
一つ一つの漏れ電流は許容範囲内でもそれが合計されると2.0mAを超えることがあります。
(一般の方には難しい内容ですみません。)

手術中にアラームがなると手術の進行を妨げたりしますので、きちんと対策をとる必要がありました。
いろんな病院の臨床工学技士さんに相談して、いろいろ対策を考えました。
今日、同じ手術がありましたが、無事にアラームを鳴らすことなく手術が無事に終わりました。

相談に乗ってくださったみなさまありがとうございます。


いろんな方にアドバイスをいただきましたが、
・きちんと電源の系統を把握しておく必要がある。図面を確認しておいたほうがいい。
・あまり使用しないものも漏れ電流は測定しておいたほうがいい。
・極力テーブルタップは使用しない。
・漏れ電流だけではなく、過電流にも注意が必要。
その他にもいろいろ。

1名体制だとなかなか苦労しますが、横のつながりや情報のやりとりがあると1人でも対応が可能になります。

対策ですが、

・図面をきちんと確認しました。どのコンセントが絶縁監視装置につながっているのか。無影灯やシャーカステン、その他、どのコンセントがどこにつながっているのかを確認しました。
この確認は有意義でした。設計に携わっていませんでしたので施工業者などにもいろいろ聞きましたが、はじめに確認しておくべきことだったと思いました。

・次に定期的にあまり使用しないME機器も漏れ電流を測定するようにしました。

・1週間ほど前にシミュレーションをしました。
(シミュレーションのときはやはり2.0mAを超え、アラームがなりました。)

アラームがなったため、テーブルタップを極力使わないようにしたり、電源のとり方を工夫したり、バッテリで動作するものは事前に充電を確認したり、その他いろいろ対策を考え、ある程度絶縁監視装置で測定される電流を減らすことができました。

・アラームが鳴ったときの対処の説明。
(使用していないME機器は電源を切り、コンセントから抜くなど)

シミュレーションをすることの重要性を痛感しました。

手術機器の準備から携わり、開始のときに少し見ていましたが、大丈夫そうでしたので他の業務にうつりましたが、終わってからアラームがならなかったといわれたのでホッとしました。

今後はこのシミュレーションと定期的な漏れ電流の測定、準備やセッティングと最初の立会いはやっていきたいと思います。
これらを行うことで安全な手術に臨床工学技士が関わりを持てると心から思えたからです。

アドバイスをいただいた皆様、どうもありがとうございました。



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